こんにちは。事務局スタッフです。
1月に開催されました「市民がつくるTVF」プレ・イベント「上映会」「発表・表彰式」のレポートが完成しました!
サポーターの皆さまには事務局より随時発送を行いましたが、皆さまのお手元には届いていますでしょうか。
発表会や上映会の様子、そして入賞作品の紹介も掲載しています。NPOとなって初めてのプレ・イベントの内容を、冊子として、形として残すことができました。発表会や上映会同様、このレポートも色々な方のご協力を得て、作り上げました。
皆さんご覧いただき、思うところ、ご意見、ご感想、そして今後の活動への提言など、ご遠慮なく事務局までご連絡いただければ嬉しい限りです。
2010年04月25日
2010年04月11日
【スタッフ紹介】東 英児さん
■ 理事 東 英児
日本工学院専門学校教員
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TVFへ関わるきっかけについて
僕らが、8mmフィルムで学生映画を製作した最後の世代じゃないか、と思います。目の前にはフィルムしかなく、それを面白がったのも事実ですが。当時はUマチックがビデオの業務機で、英国の映像作家デレク・ジャーマンが「8mmからUマチックにテレシネ」した作品を製作。フィルムとビデオを横断しながら生み出す色彩の自由さに、驚きながら影響を受けました。その時感じた映像に形などないんだという「自由」さは、今だ大きなキーワードです。
20代後半、手塚眞監督作品「白痴」スタッフとして、新潟市内の巨大オープンセットにいたことがあります。
プロデューサー古澤敏文さんの意図したところですが、「白痴」は新潟県内の多くの人に支えられて製作されました。セットを飾る装飾類の多くが、地域のボランティア経由で持ち込まれたものです。さらにその後、山形国際ドキュメンタリー映画祭に参加。これまた地域の人の理解がなくては進まない作業です。
映画祭開催に尽力した小川紳介監督の著書に「映画を穫る」がありますが、「撮る」ではなく「穫る」。実りをともに作り、ありがたくいただく感覚を、様々な現場を通して知らず知らず身につけていったような気がしています。最近は食育なんて言葉があって、子供たちが野菜を育てたりしていますが、映像も「実り」を得るための土いじりをじっくり行っていく必要性を感じます。土いじりを嫌がらない「映像人」を育てて行く事が、今後の目標と思っています。
TVFも、フェスティバル運営として優秀な作品だけをとりあげるのではなく、議論があり、制作者とのやり取りがあり、広く映像文化の醸造に関わっている。そこに共感しています。新生TVFに惹き付けられ、NPOの立ち上げに関わった事は、必然だったのかもしれません。
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日本工学院専門学校教員
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TVFへ関わるきっかけについて
僕らが、8mmフィルムで学生映画を製作した最後の世代じゃないか、と思います。目の前にはフィルムしかなく、それを面白がったのも事実ですが。当時はUマチックがビデオの業務機で、英国の映像作家デレク・ジャーマンが「8mmからUマチックにテレシネ」した作品を製作。フィルムとビデオを横断しながら生み出す色彩の自由さに、驚きながら影響を受けました。その時感じた映像に形などないんだという「自由」さは、今だ大きなキーワードです。
20代後半、手塚眞監督作品「白痴」スタッフとして、新潟市内の巨大オープンセットにいたことがあります。
プロデューサー古澤敏文さんの意図したところですが、「白痴」は新潟県内の多くの人に支えられて製作されました。セットを飾る装飾類の多くが、地域のボランティア経由で持ち込まれたものです。さらにその後、山形国際ドキュメンタリー映画祭に参加。これまた地域の人の理解がなくては進まない作業です。
映画祭開催に尽力した小川紳介監督の著書に「映画を穫る」がありますが、「撮る」ではなく「穫る」。実りをともに作り、ありがたくいただく感覚を、様々な現場を通して知らず知らず身につけていったような気がしています。最近は食育なんて言葉があって、子供たちが野菜を育てたりしていますが、映像も「実り」を得るための土いじりをじっくり行っていく必要性を感じます。土いじりを嫌がらない「映像人」を育てて行く事が、今後の目標と思っています。
TVFも、フェスティバル運営として優秀な作品だけをとりあげるのではなく、議論があり、制作者とのやり取りがあり、広く映像文化の醸造に関わっている。そこに共感しています。新生TVFに惹き付けられ、NPOの立ち上げに関わった事は、必然だったのかもしれません。
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2010年04月04日
「生きた証」を残すということ
こんにちは。事務局スタッフです。
先日、会社の先輩が亡くなりました。この1年ずっと闘病生活を送っていましたが、越えられない山を前に、力尽きました。まだお若く、お子さんもこの4月から新社会人となり、これからが本当に楽しみな矢先の出来事でした。
お別れの会が開かれるということで先日参加をしてきました。音楽が大好きで、弾き語りやライブ活動を精力的に行っていた故人の生前の意向で、会の間中はずっとその先輩の歌声が流れていました。他にも、お子さんのお誕生日パーティーでバースデーソングをギターと共に奏でる場面もあり、愛情あふれるその歌声は、聴いていると切なくもあり、そして元気をもらえる歌声でもありました。
生きている証を形で残すって素敵だなぁ、と思いました。人類が生み出した「形に残す」手段。それは文字として、写真として、音声として、そして映像として。
TVFを通じて触れる作品には、たくさんの人の「生きた証」があるなぁと思いました。それは意図的に残したものもあれば、期せずして「証」となってしまったものもあるように思います。
私も「残したい」と思うものが年々増えてきています。…新しいビデオカメラを買おうかな、と思った日でした。
先日、会社の先輩が亡くなりました。この1年ずっと闘病生活を送っていましたが、越えられない山を前に、力尽きました。まだお若く、お子さんもこの4月から新社会人となり、これからが本当に楽しみな矢先の出来事でした。
お別れの会が開かれるということで先日参加をしてきました。音楽が大好きで、弾き語りやライブ活動を精力的に行っていた故人の生前の意向で、会の間中はずっとその先輩の歌声が流れていました。他にも、お子さんのお誕生日パーティーでバースデーソングをギターと共に奏でる場面もあり、愛情あふれるその歌声は、聴いていると切なくもあり、そして元気をもらえる歌声でもありました。
生きている証を形で残すって素敵だなぁ、と思いました。人類が生み出した「形に残す」手段。それは文字として、写真として、音声として、そして映像として。
TVFを通じて触れる作品には、たくさんの人の「生きた証」があるなぁと思いました。それは意図的に残したものもあれば、期せずして「証」となってしまったものもあるように思います。
私も「残したい」と思うものが年々増えてきています。…新しいビデオカメラを買おうかな、と思った日でした。
2010年04月03日
【スタッフ紹介】佐藤 博昭さん
■ 理事 佐藤 博昭
ビデオ作家、日本工学院専門学校講師
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佐藤博昭です。
TVFでは作品の審査委員をさせて頂いています。
1、TVFに関わることとなったきっかけ
TVFのことは学生の頃から知っておりました。
大学の恩師である中谷芙二子先生が審査委員をされていて、授業では特に海外のアート作品などの入賞作品を紹介されていました。この頃が第7〜8回のTVFの頃だと思います。
大学の研究室では中谷先生の授業担当となり、学生作品をとりまとめて応募したり、TVF事務局にお願いして入賞作品鑑賞の機会を設けて頂いたりしていました。
その後、日本工学院専門学校の教員となり、そこでも学生作品をとりまとめて応募しました。学生作品の入賞も我がことのように嬉しく思いました。自分の作品を応募したこともあり、第18回では入賞させて頂きました。
中谷先生が多忙になり、急遽ピンチヒッターとしてゲスト審査委員となったのが2001年、第23回のTVFです。その後、31回まで審査委員として多くの作品を見せて頂きました。初めての本審査(最終審査会)では、他の先生方の激論の様子を目の当たりにし、たいへんな場所に巻き込まれてしまったと後悔したものです。
2、これからのTVFで実現したいこと
審査委員として多くの作品を見て、作者の皆さんとお話し出来たことは、僕の財産だと思っています。
そこで得られたことは、大きな循環の重要性です。作品制作を継続して行くことは容易ではありません。特に学生時代に比較的自由な制作環境を経験した若い作者が、仕事をしながら制作のモチベーションを維持していくのは困難なことです。事実、社会人になって制作をしなくなった学生たちをたくさん知っています。そうした人達が頼りに出来る「場」としてTVFを機能させることがひとつの目標です。僕自身も細々と自主上映会を継続していますが、やはり規模の大きな「場」は必要だと思います。
もうひとつは、教育現場との連繋です。大学や専門学校だけでなく、中学校や高校、あるいは小学校との関係、地域との関係で映像制作を支援したいと思っています。これも個人的には行っていることですが、将来的にTVFの事業となっていくことを願っています。
これらのことは、これまでのTVFの活動を通じて、既にいくつかの種を蒔いてきたことです。各種のセミナーやワークショップがそれに当たります。しかし、まだ十分ではないと感じております。
3、個人的な最近の仕事
このところドキュメンタリーについての仕事が増えてきました。岩波書店から刊行中の「シリーズ日本のドキュメンタリー」(全5巻)は、現在第3巻の編集に入ったところで、2010年4下旬には刊行予定です。2年ほど前から企画に参加し、編集会議などにも参加しております。第1巻にはTVFの事も書いております。
また、4月10日には水戸芸術館で開催されるシンポジウム「映像の力」の司会をすることになっています。テーマは「映像の公共性をめぐって」です。これも広い意味でドキュメンタリーと関係があります。お近くの方は是非ご来場下さい。
昨年からはマレーシアとの映像交流事業を行っていて、2009年9〜10月にはマレーシアから5人の作家を招き、上映やレクチャープログラムなどを行いました。2010年は7月末頃に日本からアーティストが出向き、ナショナルギャラリーやアートスペースで日本の作品紹介や作家紹介を行う予定です。暑い国ですが、アーティストも作品も熱気のある面白い国です。
他には、新宿区の大久保児童館で利用者の中・高校生と一緒に映像制作ワークショップを行いました。2010年も夏休み頃に行う予定です。児童館で中・高校生というのも奇妙に聞こえるかも知れませんが、小学生が学童倶楽部のようにして利用している一方で、日本語学習が難しい多ルーツの子供たちに学習指導を行っている場でもあるのです。特に新宿は両親が海外からやってきたという子供たちが多い地区です。そういう子どもたちと一緒に映像制作を行う試みです。教える方もとても勉強になります。
最近はこんなことをやっています。どうぞよろしくお願いします。
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ビデオ作家、日本工学院専門学校講師
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佐藤博昭です。
TVFでは作品の審査委員をさせて頂いています。
1、TVFに関わることとなったきっかけ
TVFのことは学生の頃から知っておりました。
大学の恩師である中谷芙二子先生が審査委員をされていて、授業では特に海外のアート作品などの入賞作品を紹介されていました。この頃が第7〜8回のTVFの頃だと思います。
大学の研究室では中谷先生の授業担当となり、学生作品をとりまとめて応募したり、TVF事務局にお願いして入賞作品鑑賞の機会を設けて頂いたりしていました。
その後、日本工学院専門学校の教員となり、そこでも学生作品をとりまとめて応募しました。学生作品の入賞も我がことのように嬉しく思いました。自分の作品を応募したこともあり、第18回では入賞させて頂きました。
中谷先生が多忙になり、急遽ピンチヒッターとしてゲスト審査委員となったのが2001年、第23回のTVFです。その後、31回まで審査委員として多くの作品を見せて頂きました。初めての本審査(最終審査会)では、他の先生方の激論の様子を目の当たりにし、たいへんな場所に巻き込まれてしまったと後悔したものです。
2、これからのTVFで実現したいこと
審査委員として多くの作品を見て、作者の皆さんとお話し出来たことは、僕の財産だと思っています。
そこで得られたことは、大きな循環の重要性です。作品制作を継続して行くことは容易ではありません。特に学生時代に比較的自由な制作環境を経験した若い作者が、仕事をしながら制作のモチベーションを維持していくのは困難なことです。事実、社会人になって制作をしなくなった学生たちをたくさん知っています。そうした人達が頼りに出来る「場」としてTVFを機能させることがひとつの目標です。僕自身も細々と自主上映会を継続していますが、やはり規模の大きな「場」は必要だと思います。
もうひとつは、教育現場との連繋です。大学や専門学校だけでなく、中学校や高校、あるいは小学校との関係、地域との関係で映像制作を支援したいと思っています。これも個人的には行っていることですが、将来的にTVFの事業となっていくことを願っています。
これらのことは、これまでのTVFの活動を通じて、既にいくつかの種を蒔いてきたことです。各種のセミナーやワークショップがそれに当たります。しかし、まだ十分ではないと感じております。
3、個人的な最近の仕事
このところドキュメンタリーについての仕事が増えてきました。岩波書店から刊行中の「シリーズ日本のドキュメンタリー」(全5巻)は、現在第3巻の編集に入ったところで、2010年4下旬には刊行予定です。2年ほど前から企画に参加し、編集会議などにも参加しております。第1巻にはTVFの事も書いております。
また、4月10日には水戸芸術館で開催されるシンポジウム「映像の力」の司会をすることになっています。テーマは「映像の公共性をめぐって」です。これも広い意味でドキュメンタリーと関係があります。お近くの方は是非ご来場下さい。
昨年からはマレーシアとの映像交流事業を行っていて、2009年9〜10月にはマレーシアから5人の作家を招き、上映やレクチャープログラムなどを行いました。2010年は7月末頃に日本からアーティストが出向き、ナショナルギャラリーやアートスペースで日本の作品紹介や作家紹介を行う予定です。暑い国ですが、アーティストも作品も熱気のある面白い国です。
他には、新宿区の大久保児童館で利用者の中・高校生と一緒に映像制作ワークショップを行いました。2010年も夏休み頃に行う予定です。児童館で中・高校生というのも奇妙に聞こえるかも知れませんが、小学生が学童倶楽部のようにして利用している一方で、日本語学習が難しい多ルーツの子供たちに学習指導を行っている場でもあるのです。特に新宿は両親が海外からやってきたという子供たちが多い地区です。そういう子どもたちと一緒に映像制作を行う試みです。教える方もとても勉強になります。
最近はこんなことをやっています。どうぞよろしくお願いします。
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