■ 理事 佐藤 博昭
ビデオ作家、日本工学院専門学校講師
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佐藤博昭です。
TVFでは作品の審査委員をさせて頂いています。
1、TVFに関わることとなったきっかけTVFのことは学生の頃から知っておりました。
大学の恩師である中谷芙二子先生が審査委員をされていて、授業では特に海外のアート作品などの入賞作品を紹介されていました。この頃が第7〜8回のTVFの頃だと思います。
大学の研究室では中谷先生の授業担当となり、学生作品をとりまとめて応募したり、TVF事務局にお願いして入賞作品鑑賞の機会を設けて頂いたりしていました。
その後、日本工学院専門学校の教員となり、そこでも学生作品をとりまとめて応募しました。学生作品の入賞も我がことのように嬉しく思いました。自分の作品を応募したこともあり、第18回では入賞させて頂きました。
中谷先生が多忙になり、急遽ピンチヒッターとしてゲスト審査委員となったのが2001年、第23回のTVFです。その後、31回まで審査委員として多くの作品を見せて頂きました。初めての本審査(最終審査会)では、他の先生方の激論の様子を目の当たりにし、たいへんな場所に巻き込まれてしまったと後悔したものです。
2、これからのTVFで実現したいこと審査委員として多くの作品を見て、作者の皆さんとお話し出来たことは、僕の財産だと思っています。
そこで得られたことは、大きな循環の重要性です。作品制作を継続して行くことは容易ではありません。特に学生時代に比較的自由な制作環境を経験した若い作者が、仕事をしながら制作のモチベーションを維持していくのは困難なことです。事実、社会人になって制作をしなくなった学生たちをたくさん知っています。そうした人達が頼りに出来る「場」としてTVFを機能させることがひとつの目標です。僕自身も細々と自主上映会を継続していますが、やはり規模の大きな「場」は必要だと思います。
もうひとつは、教育現場との連繋です。大学や専門学校だけでなく、中学校や高校、あるいは小学校との関係、地域との関係で映像制作を支援したいと思っています。これも個人的には行っていることですが、将来的にTVFの事業となっていくことを願っています。
これらのことは、これまでのTVFの活動を通じて、既にいくつかの種を蒔いてきたことです。各種のセミナーやワークショップがそれに当たります。しかし、まだ十分ではないと感じております。
3、個人的な最近の仕事このところドキュメンタリーについての仕事が増えてきました。岩波書店から刊行中の「
シリーズ日本のドキュメンタリー」(全5巻)は、現在第3巻の編集に入ったところで、2010年4下旬には刊行予定です。2年ほど前から企画に参加し、編集会議などにも参加しております。第1巻にはTVFの事も書いております。
また、4月10日には水戸芸術館で開催されるシンポジウム「
映像の力」の司会をすることになっています。テーマは「映像の公共性をめぐって」です。これも広い意味でドキュメンタリーと関係があります。お近くの方は是非ご来場下さい。
昨年からはマレーシアとの映像交流事業を行っていて、2009年9〜10月にはマレーシアから5人の作家を招き、上映やレクチャープログラムなどを行いました。2010年は7月末頃に日本からアーティストが出向き、ナショナルギャラリーやアートスペースで日本の作品紹介や作家紹介を行う予定です。暑い国ですが、アーティストも作品も熱気のある面白い国です。
他には、新宿区の大久保児童館で利用者の中・高校生と一緒に映像制作ワークショップを行いました。2010年も夏休み頃に行う予定です。児童館で中・高校生というのも奇妙に聞こえるかも知れませんが、小学生が学童倶楽部のようにして利用している一方で、日本語学習が難しい多ルーツの子供たちに学習指導を行っている場でもあるのです。特に新宿は両親が海外からやってきたという子供たちが多い地区です。そういう子どもたちと一緒に映像制作を行う試みです。教える方もとても勉強になります。
最近はこんなことをやっています。どうぞよろしくお願いします。
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posted by staff at 19:50|
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